前十字(ぜんじゅうじ)ジン帯






このページは整体の範囲から外れますが安全な施術のための予備知識としてまとめましたのでご紹介します。

十字靭帯の屈曲伸展

前十字(ぜんじゅうじ)ジン帯(ACL)損傷

下図のように、伸展で緊張し、屈曲で弛緩する靭帯です。
これを頭に入れて読み進めてください。

発生原因

ACL屈曲位で弛緩、伸展で緊張

接触性損傷:

外力による受傷機転としては接触、転倒による場合が多い。内側側副ジン帯損傷、半月板損傷などの複合損傷を伴うことが多い。

非接触性損傷:

ジャンプの着地時やひねりの動作時にヒザがねじれると、前後および回旋運動に対する骨性支持の乏しい膝関節に負担がかかり、大腿四頭筋の作用(脛骨が前方に引っ張られる)が加わって損傷する(いわゆる「ヒザくずれ」が起こる)。受傷肢位では膝関節軽度屈曲位(ヒザを軽く曲げた状態)にて足部が固定された状態で外反、外旋を強制された肢位が多い。

例)体操・バスケット・ハードル等の着地、バスケット・バレーのストップモーション、柔道のひねり等 (写真絵)

症状・診断

・ラックマンテスト

・前方引き出しテストで前方動揺性を示す。

・Nテスト(屈曲位から伸展させて脛骨の亜脱臼をみる)で陽性を示す。 前方引き出しテスト

・受傷時の疼痛とポキッという音

・軽度屈曲位で下腿の前方亜脱臼→内旋の不安定性

・腫脹(腫れ)と関節血症(ヒザに血が溜まる)

・複合損傷として内側側副ジン帯(MCL)損傷が多い。

施術法

保存療法

対象:

ジン帯の伸張のみ、または広範囲な断裂を認めないもの。患者の活動性(スポーツ活動など)が高くなく、日常生活において不安定性に問題のない患者。

方法:

まず、関節血症の鎮静化を図る(安静と冷却による補助)。同時に筋力を温存、または強化しつつ、関節可動域(ROM :range Qf motion)の回復を図る。訓練中に前方動揺抑制のためのヒザ装具・サポーターを使用したりする。 以下に1例としてリハビリテーション・プロトコルから大まかな流れを示す。

前十字ジン帯(ACL)損傷に対する保存療法の大まかな流れ
観血療法

従来は関節切開による手術が行われていたが、現在では関節鏡視下での何らかの材料でジン帯を再建する鏡視下再建術が標準的になっている。 ジン帯再建には膝蓋(しつがい)ジン帯、腸脛(ちょうけい)ジン帯、半腱様筋(はんけんようきん)などの自家組織を用いるものやLeeds-Keioなどの人エジン帯等がある。

対象:

広範囲のジン帯損傷、完全断裂。 競技スポーツを続ける意志のあるもの。

方法:

膝蓋腱を用いた鏡視下再建術では術直後の固定が優れていることから、早期のリハビリトレーニングが可能となり、現在では臨床的挑戦が続いている。 術後リハビリでは前方引き出しを防ぐ意味でヒザの伸展運動練習は慎重に行う。

前十字ジン帯(ACL)再建後のリハビリテーションの大まかな流れ